フランス留学を目指す学生にとって、奨学金は重要な経済的支援となります。フランス政府奨学金(Bourses France Excellence)をはじめ、日本の公的機関や民間団体が提供する多様な給付型奨学金プログラムが、留学生の学術的および文化的な挑戦を支援しています。
大学生の場合は、大学に奨学生の募集が来ていることがあります。学務課へ足を運び、確認してみることもおすすめです。私はEUのErasmus+プログラムが大学で募集されていたため、応募して留学しました。
フランス政府奨学金
フランス政府奨学金は、日本とフランスの学術交流を促進するための重要なプログラムです。この奨学金は、フランスの高等教育機関や研究機関で学ぶ日本人学生や若手研究者を支援することを目的としています。
対象者と分野
博士課程・ポスドク:
- あらゆる学問分野が対象
- フランスの大学や研究機関での研究活動を支援
修士課程:
- 政治学および国際関係学分野に限定
- フランスの大学院での学習を支援
応募期間と選考プロセス(2024年度最新版)
応募期間:
2024年9月20日から11月20日23時59分(日本時間)まで
選考プロセス:
- 書類審査(一次選考)
- 学術的優秀性
- 日本での学業・研究とフランス留学計画の関連性
- 面接試験(二次選考)
- 日仏合同審査会によるプレゼンテーション評価
- コミュニケーション能力とフランスの大学生活への適応力を評価
登録は在日フランス大使館の公式ページから行うことができます。
奨学金の内容
- 滞在費(月額860ユーロ)
- フランス滞在中の社会保険加入
- 日本-フランス間の往復航空券(エコノミークラス)
- 高等教育・研究省管轄の高等教育機関の年間登録料免除(一部)
- CVEC(学生生活・キャンパス貢献金)免除
- 学生寮への優先的入寮
特別プログラム
- コチュテル/コディレクション:
博士論文の日仏共同指導プログラムへの応募も可能 - 研究実習給費:
博士課程学生やポスドク向けに、フランスの研究所や企業での研究実習を支援 - ENS(高等師範学校)プログラム:
成績優秀者2名を聴講生として受け入れ、授業聴講や図書館利用が可能
応募のポイント
- オンライン出願システムを通じて申請
- 明確な留学・研究計画の準備
- 受入機関との事前コンタクト
- 共同給費(他機関との併給)の場合、優遇される可能性あり
日仏文化協会奨学金
日仏文化協会奨学金は、フランス語留学を志す日本人学生にとって素晴らしい機会です。この奨学金は単なる経済的支援だけでなく、日仏文化交流の担い手となる人材の育成を目指しています。応募を考えている方は、自身の留学計画と協会の求める奨学生像を照らし合わせ、しっかりと準備をすることが大切です。
奨学金の歴史と目的
日仏文化協会奨学金は、2005年にスタートした比較的新しいプログラムです。この奨学金の主な目的は、将来の日仏文化交流を担う人材を育成することです。フランス語留学を志す方々の夢の実現をサポートし、日仏間の文化的架け橋となる人材を育てることを目指しています。
対象者と応募条件
この奨学金の対象となるのは、日仏文化協会が発行する『フランス総合ガイド2024-2025』に掲載されている留学プログラムに参加する方々です。つまり、この協会を通じてフランス留学を計画している学生が応募の対象となります。
日仏文化協会が発行する『フランス総合ガイド2024-2025』は日仏文化協会の公式ページから資料請求することで確認することができます。
奨学生の選考(2024年度最新)
奨学生の選考は厳正に行われます。2025年1月から3月に出発予定の留学生の中から、特に優秀な方々が選ばれます。ただし、協会が適切な候補者がいないと判断した場合、奨学生を選出しない可能性もあります。
奨学金の内容
長期留学奨学金
対象者:
『2024-2025 日仏文化協会フランス総合ガイド』に掲載されている大学付属語学学校で2期以上受講予定の方、または日仏文化協会ホームページの「フランス語圏への留学」プログラムに参加希望の方が対象です。専門留学を目指す方も応募可能です
奨学金額:
10〜30万円(最大)が支給されます
募集時期:
第36期は2025年1月〜3月までに出発できる方が対象です
短期留学奨学金
対象者:
『2024-2025 日仏文化協会フランス総合ガイド』に記載されている短期留学プログラムに参加希望の方が対象です
奨学金額:
5万円が支給されます
募集時期:
第36期は2025年1月〜3月末までに研修できる方が対象です
日仏文化協会が求める奨学生像
協会は以下のような資質を持つ学生を奨学生として期待しています:
- 環境適応能力が高い
- 強い意志を持ち、最後までやり遂げる姿勢がある
- 活動的で人生に対して積極的
- 学校生活や寮生活で協調性を発揮できる
- 留学体験を通じて得た情報を、将来の留学生のために共有する意欲がある
応募時の注意点
- 健康状態や病歴などの重要情報は正確に申告する必要があります。
- 第一希望の留学プログラムが満員の場合、第二希望や第三希望のコースになる可能性があります。
奨学生としての責任
奨学生に選ばれた後は、以下の点に注意が必要です:
- やむを得ない事情で留学できなくなった場合は、速やかに連絡する。
- 留学途中で帰国する必要が生じた場合、返金は研修校・宿泊施設の規定に従います。
Eiffel Excellence Scholarship Programme
フランス政府が提供する prestigiousな奨学金制度です。優秀な外国人学生をフランスの高等教育機関に招くことを目的としています。
対象者と分野
対象分野:
- 科学技術
- 生物学と健康
- エコロジカルトランジション
- 数学とデジタル
- 工学
- 社会科学・人文科学
- 歴史、フランス語、フランス文明
- 法学と政治学
- 経済学と経営学
応募資格:
- 修士課程:25歳以下
- 博士課程:30歳以下
奨学金の内容と応募締め切り
奨学金内容:
- 修士課程:月額1,181ユーロ
- 博士課程:月額1,800ユーロ
- その他、宿泊支援、往復航空券、地域交通費、健康保険など
応募締切: 2025年1月8日
特徴:
- フランスの高等教育機関を通じて応募
- グローバルリーダーとのネットワーキング機会
- 文化活動への参加機会
Marie Skłodowska-Curie Actions (MSCA)
欧州連合(EU)が提供する研究者向けの独自のイニシアチブです。研究者の新しい専門的能力の形成を促進することを目的としています。
奨学金の目的と各種プログラム
主な目的:
- 研究者の専門的訓練、スキル構築、キャリア開発の支援
- 国境を越えた、分野横断的な移動性の促進
- 高品質な博士課程および博士研究員プログラムへの資金提供
プログラム構成:
- Doctoral Networks (DN):協力的な博士課程イニシアチブ
- Postdoctoral Fellowships (PF):博士号取得者向け海外研究支援
- Staff Exchanges (SE):短期の国際・分野横断的な人材交流
- COFUND:地域、国内、国際的な研修・キャリア開発プログラムの共同資金提供
- MSCA & Citizens:研究と一般市民をつなぐイニシアチブ
Postdoctoral Fellowships (PF)の応募資格
ここでは、Postdoctoral Fellowships (PF)の応募方法を詳しく説明します。
- 博士号取得者(応募締切日までに取得見込みも可)
- 博士号取得後8年以内の研究経験(特定の例外あり)
- 過去3年間のうち12ヶ月以上、受入機関の所在国に滞在していないこと
応募手順
- MSCA PFの種類を選択(European PFまたはGlobal PF)
- 応募資格の確認
- 受入機関の選定(Euraxessなどのポータルサイトで探す)
- 応募書類の準備:
- 研究提案書
- CV
- 倫理に関する自己評価
- 受入機関からの承諾書
- Funding & Tenders Portalでオンライン応募
アプライは公式ページから実施することができます。
重要な日程(2024年度の例)
- 応募締切:2024年9月11日 17:00(中央ヨーロッパ夏時間)
- 結果発表:2025年2月頃
ヤマハ音楽振興会奨学金
ヤマハ音楽振興会は、「音楽奨学支援」制度を通じて、将来の音楽界を担う人材の育成に貢献しています。この奨学金は、13歳以上25歳以下の音楽学習者を対象とし、月額20万円を最長2年間給付します。
応募資格
- 日本国籍を有し国内外で音楽を学ぶ者
- 外国籍で日本の教育機関で音楽を学ぶ者
選考プロセス
- 書類・映像審査
- 実技・面接審査
奨学生には経済的支援に加え、ヤマハ株式会社の協力のもと、演奏機会やレッスン聴講などの機会も提供されます。この制度は、音楽文化の発展と優れた音楽能力を持つ若手音楽家の支援を目的としています。